
日本の自動車市場で唯一無二の存在感を放つ、スズキ「ジムニー」。その人気は衰えることを知らず、特に5ドアモデル「ジムニー ノマド」の登場は、多くのファンを熱狂させました。しかし、発表と同時に注文が殺到し、わずか4日で受注停止という異例の事態に。そんな中、ついに待望のニュースが飛び込んできました。スズキが2025年5月30日、「ジムニー ノマド」の生産台数を大幅に引き上げると発表したのです。
生産体制の強化で、広がるジムニーの世界
2025年7月からは、現在の月間目標販売台数1200台から、一気に約2.75倍となる月間3300台に増産されます。これは、待ち焦がれていたファンにとって朗報であるだけでなく、受注再開への大きな期待を抱かせます。
「ジムニー ノマド」は、2025年4月3日に発売されたばかりのニューモデル。5速MTが265万1000円、4速ATが275万円(税込)という価格設定も、その魅力と実用性を考えれば納得です。
最大の特長は、ジムニーシリーズ初の5ドアモデルであること。ホイールベースが延長されたことで、後席の居住空間やラゲッジスペースが格段に広がり、従来のジムニーでは難しかった長距離移動や多人数での利用、さらにはアウトドアギアをたっぷり積むといった使い方も現実的になりました。まさに、その名の通り「ノマド(遊牧民)」のように、どこへでも自由に冒険へ繰り出せる一台へと進化を遂げたのです。
生産はインドのマルチ・スズキ・インディアで行われており、世界的な需要の高さがうかがえます。
止まらないジムニー人気、その先にある未来とは
「ジムニー ノマド」の増産は、ジムニー人気が単なる一過性のブームではないことを証明しています。その堅牢な作り、優れた悪路走破性、そして何よりも唯一無二のスタイリングは、多くのドライバーの心を掴んで離しません。
市場では、ジムニーのカスタムパーツやコンプリートカーも花盛りです。レトロなクラシックモデルから、よりワイルドなオフロード仕様、さらには車中泊に特化したキャンピングカー仕様まで、オーナーのライフスタイルに合わせて無限の可能性を秘めています。自分だけのジムニーを作り上げる喜びも、その人気の秘密と言えるでしょう。
そして、未来を見据えれば、スズキは2030年度までに欧州市場にEVを5車種投入する計画があり、その中にはジムニーのEVモデルが含まれる可能性も示唆されています。現在は欧州向けが中心ですが、いずれ日本市場にもEVジムニーが登場する日が来るかもしれません。
今回の「ジムニー ノマド」の増産は、より多くの人々がこの魅力的なオフローダーを手に入れるチャンスを広げます。5ドアになったことで、ジムニーが活躍するフィールドはさらに拡大し、新たな冒険の物語が生まれることでしょう。
今後の納期は?
現時点でスズキからは具体的な受注再開の時期は発表されていませんが、今回の増産体制が整えば、納期の短縮や再受注の可能性も十分に考えられます。
スズキは、「1日でも早くお客様にお届けできるよう取り組んでいます」とコメントしており、今後の動きが注目されます。